
半導体企業のエッジコーティックス(EdgeCortix)は本日、経済産業省所管の国立研究開発法人である新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から40億円の助成金を獲得したことを発表しました。この資金は、人工知能(AI)処理と無線アクセスネットワーク(RAN)の高度な通信を、かつてない省エネ効率で実現する次世代チップレットの開発を推進するために活用されます。
デジタル変革が加速する中、超高速通信、低遅延、広範なデバイス接続を実現する先進的なネットワークが不可欠となっています。しかし、エッジコンピューティングやクラウドインフラは、特に生成AIアプリケーションが将来のネットワークに新たな要求を課す中で、導入に関する課題に直面しています。現在のAI導入やRAN処理に特化した単一目的サーバーシステムは、コストが高く、エネルギー消費が大きく、スケーリングが困難です。
この助成金により、エッジコーティックスは「SAKURA-X」と呼ばれる革新的なチップレットベースのプラットフォームを開発します。このプラットフォームは、高性能AI処理とRAN高速化(分散ユニットに焦点)を継ぎ目なく統合し、現行ソリューションと比較して:
- エネルギー消費を5倍以上削減
- 演算効率を5倍以上向上
- 従来のGPUを大きく上回る90%の利用率を実現
SAKURA-Xは、TSMCの技術ノードを使用して開発され、将来的には熊本の日本先進半導体製造(JASM)での量産を目指しています。
「5Gの急速な進化と6Gの到来により、高性能で省エネな計算処理の需要がかつてないほど重要になっています」とエッジコーティックスの創業者兼CEOのサキャシンハ・ダスグプタ博士は述べています。「SAKURA-Xの開発にあたり、NEDOから強力な支援を受けられることを光栄に思います。このプラットフォームは、生成AIと次世代RANの増大するデータ需要に対応しながら、エネルギー消費を劇的に削減します。」
SAKURA-Xが実現する次世代通信の革新
SAKURA-Xの先進的なAI-RAN機能により、日本の通信産業は人工知能を活用したネットワーク技術を世界規模で展開することが可能になります。これにより、スマート工場、自動運転、データセンターなど、幅広い分野での成長を支援します。
SAKURA-Xのチップレットアーキテクチャは、次世代通信を再定義する拡張性の高いソリューションを提供します。高速かつ低消費電力のAI推論に加え、統合されたAI処理能力と無線アクセスネットワーク(RAN)の高速化を実現することで、比類のない効率性とコスト効果を約束します。日本の通信業界の主要パートナーによる検証を経て、エネルギー効率の高いAIと通信ネットワークの未来を切り開く準備が整っています。
EdgeCortixについて
インテリジェントエッジの未来を切り開くEdgeCortixは、エッジでの生成AI処理に特化した省エネルギーAIプロセッサを開発するファブレス半導体企業です。2019年に設立され、東京に研究開発本部を置く同社は、特許取得済みの「ハードウェアとソフトウェアの共同探索」システムを用いて、AI専用の実行時再構成可能なアクセラレータプロセッサをゼロから設計するソフトウェアファーストのアプローチを採用しています。
EdgeCortixの製品は、以下の分野における急成長するエッジAIハードウェア市場に革新をもたらします:
- 通信
- 防衛・航空宇宙
- スマートシティ
- 産業4.0
- 自動運転車
- ロボティクス
詳細については、公式ウェブサイトをご覧ください。
お問い合わせ先
メディア関係のお問い合わせ:
Racepoint Global(EdgeCortix担当): edgecortix@racepointglobal.com
FGSグローバル EdgeCortix東京オフィス: EdgeCortix-TYO@fgsglobal.com
担当:Mike Oakland(TEL: 090-6205-4780)
Tada Rieko(TEL: 070-3857-8698)
参考:経済産業省発表資料